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映画『 ボヘミアン・ラプソディー 』を観て [映画]


先日、華々しいメディアの宣伝や情報に押され、話題の映画『ボヘミアン・ラプソディー 』を観た。
言わずと知れた英国のロックバンド「クイーン」のlead vocal、フレディ・マーキュリーのグループ結成からAIDSで亡くなるまでの半生を追っている。生涯の女友だちとなったメアリー・オースティンとの出会いの経緯や彼がメンバーにAIDSのことを告白する時期など事実とは異なる場面があったが、フレディが味わったであろう同性愛者(詳しくはバイセクシャル)としての苦悩や葛藤や曲作りのエピソード、彼の歌やパフォーマンスの才能などは忠実に描かれているように感じた。



私にとって「クイーン」の名前を意識したのは、もう40年くらい前になる。その頃家庭教師をしていた15、6歳の女の子がクイーンのファンで、確かロンドンにあるファンクラブに入会したいと、英語で書かれた申し込み用紙を持ってきた。中身の意味や手続きの仕方を説明した記憶がある。その頃のクイーンのレコードアルバムのジャケットやらメンバーの写真を見せてもらった。洋楽ファンとはいえ、リアルタイムでビートルズ、のちにアメリカのロックバンド、シカゴが好きだった私にとって、なんだか濃ゆすぎるバンドに思えた。ただ、当時、地方の内に入る福岡市でも来日公演があったとかあるとか、その女の子のお父さんがなんとドラムを叩いているとか、叩いていたという話にヘェ〜!と驚いたことは覚えている。


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映画を観た後、毎晩クイーンの動画を検索している中で、福岡どころか、山口まで公演していたと視聴者が書いていて、日本の地方にも足を伸ばしたグループなのかと好意的に思った。クイーンは先ず日本で人気に火がついたらしい。そのせいか、最初に自分たちを素直に熱狂的に受け入れてくれた日本や日本のファンが好きになったようだ。特にフレディは自宅に日本庭園を作ったほど気に入ったようで、映画でも着物を素肌に身に纏ったシーンがあった。ネットや週刊誌でも日本の骨董品を買い集めていたと書かれていた。最初に彼の風貌を見たときになんだか濃い感じがしたのは、彼の出自がいわゆるアングロ・サクソン系ではなく「パルシー」と呼ばれるペルシャ系インド人だったことで合点がいく。熱心だったかは知るよしもないが、彼の宗教はゾロアスター教で、遺言通り火葬にされたそうだ。



45才という人生の壮年期で、歌や作曲という才能に溢れながら早くに亡くなったことは、彼自身も無念な思いだっただろう。AIDSはその頃すでに彼を含めた有名人の間でも流行していた致命的な病だった。映画の中で、自分を蝕んでいる病を知ったフレディが、自宅のテレビで、アメリカのハリウッド俳優ロック・ハドソンの死を伝えるニュースを絶望的な表情でじっと見つめる場面があった。あるネット動画では、彼の仕事上の関係者(名前は忘れてしまった)が、フレディがAIDSになったのは、ニューヨークでの放蕩三昧の生活が原因だったとほぼ断言していた。



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私が大学生の頃、もう昔々のことだが、週一回白人系の神父さんが英会話の講師として来ておられた。名前はアントニオ先生とか言われた。彼曰く、「日本はホモセクシャル、ゲイの人には住みやすい、つまり寛容な国だ。」アメリカは、ニューヨークやサンフランシスコは例外として、一般的にゲイには風当たりが強く生き辛いから、自分のアメリカの知り合いでゲイの男性が日本に来ている(来ようとしている)と言っていたのが妙に印象に残っている。先生の言葉にあったように、4,50年前は今とは違い、いわゆるLGBTは表立っては表明、公言できない時代であった。その風潮の中でも、(1970から80年代の)ニューヨークは肩身の狭い思いはしなくてもいい例外的な都市で、フレディは一般人が近寄らない溜まり場や裏世界で羽目を外したのだろうから、なるべくしてなった病なのだと思う。




この映画のタイトルになっている「 ボヘミアン・ラプソディー 」の歌詞は、正にフレディーの人生と心情だと受け取ると彼のことがよく理解できると感じた。 一つ一つの言葉が腑に落ちる。意外なことに、メンバーのブライアン・メイやロジャー・テイラーはこの曲、歌詞が何を意味するのか、彼との関係など全く分からないと言っている。曲作りや普段の付き合いの中で、何か話題になったり、自ずと知れることがあったに違いないと思うのだが、彼らは自分たちには分からないと繰り返す。このことから、フレディの私生活やプライベートなことには普段から意識的に関知しなかったのか、彼との友情がそうさせているのか、今一つ私には理解できないところである。ブライアンやロジャー、それにジョン・ディーコンも個性や才能に満ちているが、ロックミュージシャンの派手さ、荒々しさは感じられない。一時はグループ内に険悪な時期があったと言われるが、強烈なキャラクターのフレディ(私生活では内気で大人しい)とどこかでバランスが取れていたのだろう。



最後に、ずいぶん前の産経新聞紙上で、ある学者が、動物の例を挙げ(ある動物を観察したのか実験したのか忘れてしまったが)、人間も乱交を繰り返すと免疫能力が落ちると言っていたことが思い出された。
AIDSは免疫不全症候群という病の略語である。ネット動画の中で、晩年のフレディの言葉が流れていた。


『 自分の犯した罪は、自分で償うしかないんだ。 』

この言葉はなんと重い言葉であろうか!

このことばを読んだ時、同時にある意味、彼の自分の人生を受け取る覚悟、強さも感じた。

同性愛の趣向は彼の生まれながらのものだから責めを負わせるのは過酷だが、乱れた生活と引き換えに命を落とすことになった。


人々をその歌と才能で熱狂させたり、鼓舞したフレディ・マーキュリーの存在は、クイーンの数々の名曲が歌われ続ける限り、生き続けるだろう。


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