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京都のおもてなしミニサポート [日記・雑感]

つい一週間前、2月13日の事。

最近知り合ったドイツ人家族のご主人が訪ねてこられ、前夜23:00頃に京都市内の繁華街から自宅までタクシーを利用したが、車内の後部座席にに6歳の息子さんのバックパックを置き忘れてしまったので、タクシー会社に問い合わせて欲しいのですが、と依頼された。

手がかりは、MKタクシーだと言われる。MKタクシーは京都では誰もが知る会社なので、昨夜のことを翌日の14:30に告げられるのが気になるところではあったが、「私もこれ迄に財布を数回なくしたことがありますが、無事に戻ってきました。日本はそういうところです。」なんてことを言いながら、後からタクシー会社に電話をかけます、と伝えました。

さて、あまり時間をおかずネットで電話番号を調べてかけてみると、そこはタクシーの手配先で、落し物センターは平日(8:30~17:30)のみしか対応していませんと告げられた。一方、ご主人には、タクシーのレシートを探して頂くようお頼みしていたが、後から見つからなかったと報告がありました。

日曜日明けの月曜日に早速落し物センターに問い合わせると、黒いショルダーバッグはあるが子供用の該当の品はないと言われ、敢え無く電話を切った。私の中では、乗車した運転手さんが見つけられたら100パーセントセンターに預けられたはずだとの思いがあった。ドイツ人のご家族の後に乗車した乗客(複数回も十分考えられます)がひょっとしたら・・・と疑ったりもしていた。


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その日はこちらも仕事で忙しく結果を知らせないまま翌日の朝を迎えると、再び今度はご夫婦揃ってバッグの持ち主である6歳の男の子も伴い訪ねてこられた。昨日は残念ながら、と切り出すや、タクシーはMKタクシーではないと否定される。更に、男の子が父親と一緒になって、タクシーは黒色で車の天辺には月のマークが付いていたとより具体的に言い張られる。これほど子供用のバッグに親子共に執着されるにはよっぽど愛着があられるのだろうと半ば感心して、「わかりました。再度ネットでなんとか連絡先を探し出して電話をしましょう。」と約束をしました。

先ずは、京都市内のタクシー会社全部を掌握する協会か組合みたいなものを検索しているうちに、それらしきものを見つけてかけると、男の子が目ざとく記憶していたあの月マークが解決の糸口になった。受付の女性の方が直ぐに、「あっ! それはアオイタクシーですよ。」と言われ電話番号を教えて下さった。親切にも、アオイタクシーにかけても見つからない場合また電話して貰えたら全社にFAXを流します、と言葉を添えて下さった。私は日本人ですが、こういう所に本当に日本人や日本の社会のきめ細やかさが表れているなあと感じ入りました。数多くではないにしろ10数ヶ国海外に出かけたことがありますが、ここまで親切やサービスを与えてくれる所は無いと思います。

期待を込めてアオイタクシーに電話をすると、これまた感じのいい男性の方が丁寧に誠実に対応して下さり、バッグの特徴を言うと直ぐに、ありますよと返答があった。ホッとすると同時に、あの子がどんなに喜ぶことだろうと嬉しくなりました。

この後は、こちらまでの運賃720円を支払えばバッグを届けて下さるということで、留守宅のオーストリア人女性に確認した上で待っていると程なくして小銭ケースとバッグを持って運転手さんがやって来られました。720円ではなく590円になっていましたが、そのまま無事に女性を通して手渡しました。


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この話にはまだ感動したことがあります。
バッグを手渡して2日たった19日に、持ち主の男の子がたった一人でやって来ました。ドイツ人ですが、幼いのに英語もかなり話せるか理解できるようです。髪はブロンドに近く、肌はとても白くて、いわゆる典型的なアングロサクソン人だと分かります。感心したのは、彼が非常に可愛い美少年だったからではなく、一人で私にきちんとお礼が言いたくて「これを受け取ってください」とスティック状のチョコレートを手渡したその態度でした。
初対面から感じていましたが、この年齢に関わらず、自分の感情や意思をはっきりと持った一人の人格を強く感じたました。両親に促せられてやって来たという雰囲気ではありません。年令を超えた雰囲気や人格を備えています。
「あなたの名前を聞かせて下さい」と小さなメモ用紙を渡すと、躊躇わずにゆっくりと一字一字を書き始めました。「あっ、この子はまだ6才なのだ」と思い知らされました。6才といえば日本人の子もきっとこんな字を書くだろうと思われるたどたどしいアルファベットです。その名は【ヨハネス】でした。「とってもいい名前ね、素敵な名前ね」と言って有難うと言いました。ちょっとしたお返し?に、ワンピースのクリアファイルと抹茶味のキャンディを渡すと可愛い手で受けとめ帰って行きました。

私の身の回りには、20才を超えてもなかなか人に伝える力や会話力がない人がざらにいます。この子は遥かに彼らをうわまっていて感心しました。自分の気持ちを態度で相手に直接表すことの大切さ、そのコミュニケーション力の高さ、大げさに言えば人間力に感動した出来事でした。


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